

奈良桜井店です。本日は清沢満之著作集ほか、近代仏教思想に関する書籍をお買い取りしました。
清沢満之(きよざわ まんし、1863年―1903年)は、浄土真宗(東本願寺)に属する僧侶であり、近代日本の宗教哲学・仏教思想を切り開いた代表的な思想家です。明治の激動期に、伝統的な信仰と近代哲学との対話を図り、「内的な信」と「他力(他の力)による救い」を重視する独自の思想を展開しました。
清沢は尾張に生まれ、1882年に東京大学予備門へ入学し、その後東京帝国大学文学部哲学科に進学。哲学科ではフェノロサらの講義や当時の哲学界で活動し、首席で卒業、大学院では宗教哲学を専攻しました。その在学中に井上円了らと「哲学会」を立ち上げました。
卒業後もしばらく教育・講義活動に携わりましたが、東本願寺の要請もあって1888年に大学院を中断し、京都府立尋常中学校長や真宗関係の教育に戻ります。その後、本郷に移って若い信徒・門弟を集め「浩々洞」と称する共同体を作り、雑誌『精神界』を創刊して「精神主義」を公に展開しました。清沢の「精神主義」は、他力信仰に基づく内面的な覚醒と実践を重視する考えであり、同時代の宗教的・哲学的議論にも大きな影響を与えました。
主な著作・論考には、『精神主義』(『精神界』掲載)や「絶対他力の大道」「他力の救済」「我が信念」などがあり、死去直前まで精力的に執筆・講義を行いました。これらは後に整理されて全集や現代語訳でも読まれ、近代真宗思想や日本の宗教学史を考える上で重要な資料となっています。
今回のお買取は、仏教学や宗教思想を長年勉強されてきたご家族よりお譲りいただきました。
水たま書店(奈良桜井店)では、宗教・哲学・思想・歴史の専門書を積極的にお買取しております。全集・論集・雑誌バックナンバー等、状態や希少性により評価し積極的にお買取しております。
お電話・メール・LINEからお気軽にご依頼ください。本棚に眠っている学問書を、次の読者へとつなぐお手伝いをさせていただきます。



