奈良桜井店です。
本日は持ち込み買取で小野十三郎著作集、森有正エッセー集成他文庫の本をお買取させていただきました。
今回お買取した小野十三郎は、大阪市浪速区生まれで、水たま書店桜井店がある奈良県にも住んでおり小野は2歳の頃から奈良県大和郡山の親戚宅で育ちました。93歳で長逝するまで関西の文学界の重鎮として多くの文学者に影響を与えました。またその功績から1991年に優れた詩集または詩評論書に贈られる小野十三郎賞が創設されていますね。小野の有名な詩集「大阪」(昭和14年)は大阪の重工業地帯に取材した詩集となっており、その中の代表作のひとつ「葦の地方」
葦の地方
遠方に
波の音がする。
末枯れはじめた大葦原の上に
高圧線の弧が大きくたるんでゐる。
地平には
重油タンク。
寒い透きとほる晩秋の陽の中を
ユーフアウシヤのやうなとうすみ蜻蛉が風に流され
硫安や 曹達や
電気や 鋼鉄の原で
ノヂギクの一むらがちぢれあがり
絶滅する。
今回は、持込み買取で買取を行いました。何度もご利用いただいているお客さまからの持ち込みでした。こうして何度もご利用いただき町の小さな古本屋としてはとてもありがたいことです。皆さんが大切に読まれた本を納得して買取させてもらうようにしております。
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